
COLUMN
私は仕事終わりと休みの日に絵を描いています。
自分が思い描く「楽園」を想像して、私の心内に残る、旅した経験や感動した出来事、美しいと思うものを考えてかいてきました。
日々の生活はとても大変で、一筋縄ではいかず、生きることは本当に凄いことだと思います。
私はまだ絵を続けたい、
自身の精神の綻びが、自由になり
また家族友人、絵を見てくださる方に感謝をこめて。
安息を届けたいからなのだと思います。
砂丘
旅をして、見たものを絵にする。
特に好きな場所は砂丘。
はじめて砂丘を見に旅に出かけたのは数年前の春だった。
砂丘につくと、先に見える海、風がふくたびにゆらぐ砂紋が眠る時に感じる心音のようで
夢に何度かみた「楽園」の通り道のような景色だとおもった。
一緒に旅をした友人は当時20代で、私もそうだった。
ずっと続けばいいのにと思うくらい、旅している時間は楽しい。
旅行の写真を見返すと
どれもあの時間から何一つ変わってない、大好きなあの時間が止まったままだ。
写真をみるたびに、日々上書きされていく記憶が、思い出を再び呼び戻してくれる。
砂丘をかくようになったのは
もしかしたら、記憶をとどめておきたいからなのかもしれない。
安らいだあの時間に美しさがあったから描きたいのだ。
旅した時間がわたしにとっての永遠なのだから。
PROFILE
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