とはいえ、経営は壊滅的。いろいろ考えてみたものの、曲がりなりにも僕は映画に携わる身。心のこもったものでないとやれない。気持ちとは裏腹に時間が過ぎる。すると映画人たちの動きは早く『save the cinema』や『ミニシアターエイド基金』という支援団体が立ち上がっていた。すでにしっかりとしたコンセプトや支援方法・懸念までもを含めた文書が届き、賛同するか否かを求められた。感情だけでなく、しっかりと未来を見据えたその姿勢に、僕も大いに刺激を受けた。なのですべてのミニシアター支援活動に賛同し、同じ思いのみんなで共に動きはじめた。政府の支援も何もないと理解していたので、並行してリベルテ独自企画にも取り掛かり始めた。
それから約1ヶ月、みなさんご存知の通り『ミニシアターエイド基金』はクラウドファンディング国内史上最高額(3億3000万円)を突破し、署名を集め政府に提出する『save the cinema』では、他国より圧倒的に少ない文化予算であることなどを日本政府に進言し、第一歩として実際に予算(約500億円)を設けてもらえるところまできたみたいだ(まだ進行中なのでぜひ署名していただけると嬉しいです)。友人たちの助言もあり、日田リベルテとしても前払制チケット『未来の自由券』を発行し、全国400名を超える方々が支援してくれた。支援グッズも友人の絵本作家:谷口智則さんとミロコマチコさんと想いを共有し、太陽・月・星がテーマの新しい命を生み落すことができた。結局みなさんのおかげで、まだこの映画館が存続できている。感謝しかない。閉館の危機というのは、すぐに訪れるということを思い知らされ、また平和だからこそ映画を観に映画館に行けるのだと再確認させられた。当たり前ではあるけれど。