〜未来への光を灯す、もの創りをする人たちの暮らしの光をちょこっと見せてもらいます〜
今僕たちは、経験したことのないような不安や葛藤と暮らしている。
それでもどうしようもなく生きていたいと思う。そう思える気持ちはどこから生まれてくるのだろう。その心を支える光となるものはいったい何だろう。

僕は、恥ずかしい?薬で生きている!
昨年の夏、交際相手に「じゅんじさんの頭、ハゲてるね。」と言われた。
少し自分でも気づいてて知らないふりをしていたけど、はっきり言われて不安になった。
それから少し経って、秋から今まで毎日フィナステリドを服用している。
フィナステリドは簡単に言うと薄毛を止める薬。通称ハゲの薬と僕は呼んでいる。
効果については会った時にでも聞いてほしい。
春は外にでなくなって、人とも会わなくなって、服も買わないし外食もできなくなった。
当然支出は少なくなっていたのだけど、ハゲの薬だけは定期的にちゃんと買っていた。
薬を飲み始めた時期、兄に電車の中で「ハゲの薬を飲んでるんだ!」って言ったら、そんなこと電車で大声出すなよ、と恥ずかしそうに言われたな。
何で恥ずかしがっているんだろう、これはすごく面白いなと思った。こうでありたいという意識を明らかにしたくない気持ち。女性の脱毛へは広く理解があるのに、男性の育毛には否定的な偏見を世間から感じる。
何でハゲたくないんだろう。よく考えると別に髪はなくても生きていけるものなのに。
ハゲた頭で人と会いたくないからか。誰とも会わずに生きていけるなら別にどうでもいいのかもしれない。他人への意識が自分を形成している。
こう見られたいという気持ちの塊を、毎日水で腹に流し込んでいる。そう捉えると生き方に拘っている自分に少し呆れつつ、頑張ってほしいと思う。
「いや隠すことじゃないっしょ。」僕はそう言って生きていたい。
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